令和5年度 座間総合病院 病院情報の公表

■はじめに

DPC/PDPS制度とは、DPC/PDPS【Diagnosis Procedure Combination(診断群分類)/Per-Diem Payment System(1日当たり包括支払い制度)】の略称であり、入院される患者さんの病名・症状・治療行為をもとに厚生労働省が定めた1日当たりの定額点数から入院医療費を計算する、急性期入院医療を対象に平成15年4月より導入された制度です。

※保険医療にて入院された患者さんが対象となりますので、自動車賠償責任保険・労災保険・自費等はDPC制度の対象外となります。

■「病院指標」・「医療の質指標」とは

全国統一病院指標を基に指標を作成し、市民の皆さんへ当院の特徴や診療内容を知って頂くため、情報公開を進めております。

今回公表している指標は、令和5年4月1日から令和6年3月31日に在院・退院・外来受診された患者さんのデータを基に作成しています。

病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

医療の質指標

  1. リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
  2. 血液培養2セット実施率
  3. 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 - 26 77 92 163 296 363 628 693 296
当院は平成28年4月にケアミックス病院として開院しました。入院患者さんの年齢構成で一番多いのは80歳代の患者さんで全体の26.3%を占めています。次いで70歳代(23.8%)、60歳代(13.8%)となっております。また、60歳以上の患者さんは全体の75.2%を占めております。
※本病院指標の規約上、「-」の箇所は該当症例無しという意味ではなく、患者数が10症例に満たない場合を指します。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060335xx02000x 胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術処置等1 なし 手術処置等2 なし 副傷病なし 107 5.33 6.87 0.00% 61.54
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 31 3.65 4.55 0.00% 70.03
060150xx03xxxx 虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等 28 4.89 5.29 0.00% 39.79
060210xx99000x ヘルニアの記載のない腸閉塞 手術なし 手術処置等1 なし 手術処置等2 なし 副傷病なし 21 9.52 8.95 0.00% 69.48
060102xx99xxxx 穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし 15 10.07 7.58 0.00% 45.13
外科では胆嚢炎、鼠径ヘルニア、虫垂炎の手術目的の入院が多くなっております。
鼠径ヘルニアの手術は本指標の対象外の病棟で実施している症例もありますので、当院外科全体で最も多い疾患は鼠径ヘルニア(合計108人)となります。
在院日数は全国の平均と比較して短い傾向にあります。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
07040xxx01xxxx 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 301 26.62 19.55 2.33% 67.42
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 156 23.01 21.96 0.00% 75.53
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 88 66.78 25.50 2.27% 82.40
160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし 60 53.52 19.34 3.33% 83.72
160620xx01xxxx 肘、膝の外傷(スポーツ障害等を含む。) 腱縫合術等 42 18.60 13.04 0.00% 41.00
上記表は人工関節・リウマチセンター及び一般整形の指標になります。
人工関節・リウマチセンターでは、股関節症及び膝関節症の患者さんに対する人工関節置換術を実施しております。
また、一般整形では大腿骨骨折に対する観血的手術や脊椎圧迫骨折に対する治療を実施しております。
当院は回復期リハビリテーション病棟・地域包括ケア病棟も備えており、急性期治療終了後も必要に応じて院内で療養を継続できる体制をとっております。
その為、平均在院日数が長くなる傾向があります。
放射線科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120060xx97xxxx 子宮の良性腫瘍 その他の手術あり 36 3.97 4.55 0.00% 45.89
120250xx97x0xx 生殖・月経周期に関連する病態 あり 手術処置等2 なし - - - - -
120060xx99xxxx 子宮の良性腫瘍 手術なし - - - - -
- - - - - - -
- - - - - - -
当院の放射線科では令和5年度より、子宮筋腫の患者さんに対して子宮動脈塞栓術(UAE)を用いた治療を開始いたしました。
当院としては比較的新しい治療ではございますが、経験豊富な専門医が治療を担当しており、今年度はすでに令和5年度を上回る患者さんに医療を提供しております。詳しくは特設サイトよりご確認ください。

UAE特設サイト

※本病院指標の規約上、「-」の箇所は該当症例無しという意味ではなく、患者数が10症例に満たない場合を指します。
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080010xxxx0xxx 丹毒・蜂窩織炎 手術処置等1 なし 26 11.42 12.88 0.00% 59.96
080020xxxxxxxx 帯状疱疹 20 8.20 9.29 0.00% 70.75
080006xx01x0xx 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外) 皮膚悪性腫瘍切除術等 手術処置等2 なし - - - - -
080110xxxxx0xx 水疱症 手術処置等2 なし - - - - -
10007xxxxxx1xx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術処置等2 1あり - - - - -
皮膚科では丹毒・蜂窩織炎、帯状疱疹の入院患者さんが多くなっております。
なお、入院だけでなく外来でも皮膚腫瘍等の摘出手術をおこなっております。
※本病院指標の規約上、「-」の箇所は該当症例無しという意味ではなく、患者数が10症例に満たない場合を指します。
総合診療科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030250xx991xxx 睡眠時無呼吸 手術なし 手術処置等1 あり 86 2.00 2.03 0.00% 55.86
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術処置等2 なし 82 29.59 20.6 4.88% 86.52
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 72 24.53 13.52 1.39% 75.75
050130xx9900x0 心不全 手術なし 手術処置等1 なし 手術処置等2 なし 他の病院・診療所の病棟からの転院以外 55 29.31 17.38 7.27% 85.27
030400xx99xxxx 前庭機能障害 手術なし 30 6.07 4.73 0.00% 66.50
総合診療科では、睡眠時無呼吸症候群の検査をおこなっております。
また、肺炎、尿路感染症をはじめとする感染症症例での入院が多くなっております。
患者数が多い疾患は上記の通りですが、総合診療科はその性質上、多種多様な疾患に対して診療を行っており、令和5年度の統計対象患者総数は878人でした。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 - - - - - - 1 8
大腸癌 - - - - 10 - 1 8
乳癌 - - - - - - 1 8
肺癌 - - - - - - 1 8
肝癌 - - - - - - 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
大腸癌の患者さんが最も多く、公表基準値未満ではありますが、その次は胃癌の患者さんが多くなっております。
※本病院指標の規約上、「-」の箇所は該当症例無しという意味ではなく、患者数が10症例に満たない場合を指します。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 11 11.64 62.27
中等症 67 19.10 81.10
重症 16 29.38 86.75
超重症 - - -
不明 - - -
中等症以上の患者さんは平均年齢が80歳以上となっており、高齢者が重症化する傾向があります。なお、本件数に誤嚥性肺炎は含まれません。
※誤嚥性肺炎とは、嚥下機能障害のため唾液や飲食物、または胃液などと一緒に細菌を誤って気道に吸引することにより発症する肺炎を指します。
※本病院指標の規約上、「-」の箇所は該当症例無しという意味ではなく、患者数が10症例に満たない場合を指します。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 44 67.98 81.11 11.36%
その他 10 72.80 79.20 0.00%
当院では、回復期リハビリテーション病棟を有しており、急性期治療後の脳梗塞の患者さんに対してリハビリテーション(理学療法・作業療法・言語療法)を行っております。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 113 0.97 3.49 0.00% 61.60
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 28 0.68 3.21 0.00% 39.79
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 23 0.87 1.74 0.00% 67.43
K719-21 腹腔鏡下結腸切除術(小範囲切除、結腸半側切除) - - - - -
K6335 ヘルニア手術(鼠径ヘルニア) - - - - -
外科で最も多い手術は、胆嚢炎に対する腹腔鏡下胆嚢摘出術です。当院では患者さんへの負担を考慮して、傷が小さく・術後の回復が早い等のメリットのある腹腔鏡下手術を導入しております。
また鼠径ヘルニアの手術は本指標の対象外の病棟で実施している症例も多くあり、当院外科全体では腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(合計93人)が2番目に多くなっております。
外科の手術の多くではクリニカルパスを導入しており、治療に関わるスタッフ全員が患者さんの治療計画を共有することにより、医療の安全や質の向上にも努めております。
※本病院指標の規約上、「-」の箇所は該当症例無しという意味ではなく、患者数が10症例に満たない場合を指します。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0821 人工関節置換術(肩、股、膝) 473 1.92 22.86 1.27% 70.11
K0461 骨折観血的手術(肩甲骨、上腕、大腿) 74 6.88 47.86 1.35% 79.49
K0462 骨折観血的手術(前腕、下腿、手舟状骨) 57 2.81 13.05 0.00% 63.21
K0483 骨内異物(挿入物を含む。)除去術(前腕、下腿) 37 1.16 2.24 0.00% 58.70
K0811 人工骨頭挿入術(肩、股) 36 7.72 61.17 0.00% 82.25
上記表は人工関節・リウマチセンター及び一般整形の手術指標になります。
人工関節・リウマチセンターでは、股関節症及び膝関節症の患者さんに対する人工関節置換術を実施しております。
公表条件で集計をした結果は上記のとおりですが、一度の入院で左右両方の手術を実施された方もいました。そのため、実際の実施件数は「人工関節置換術:517件」でした。
一般整形では、四肢骨折に対する観血的手術や人工骨頭挿入術及び腰部脊柱管狭窄症等に対する脊椎固定術を実施しております。
また、患者さんの早期社会復帰を目指し、手術後に安定された患者さんは回復期リハビリテーションを主とする病棟に転棟し、早期にリハビリテーションを行う体制を整えています。
人工関節・リウマチセンター及び一般整形の各手術指標は下記のとおりです。
※本病院指標の規約上、「-」の箇所は該当症例無しという意味ではなく、患者数が10症例に満たない場合を指します。

(人工関節・リウマチセンター)

Kコード 名称 患者数
K0821 人工関節置換術(股) 357
K0821 人工関節置換術(膝) 160
K082-31 人工関節再置換術(股) -
K082-31 人工関節再置換術(膝) -

人工関節・リウマチセンター特設サイト

(一般整形)

名称 患者数
関節鏡下手術 103
骨内異物(挿入物)除去術 70
骨折観血的手術(上肢) 67
骨折観血的手術(大腿骨) 66
骨折観血的手術(下肢) 40
脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術 37
人工骨頭挿入術 31
骨折観血的手術(鎖骨) 21
その他 90
放射線科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6153 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(その他のもの) 36 1.00 1.97 0.00% 45.89
K6151 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(止血術) - - - - -
- - - - - - -
- - - - - - -
- - - - - - -
上記の件数は全て子宮動脈塞栓術(UAE)によるものです。
子宮動脈塞栓術(UAE)とは子宮筋腫に由来する症状を低侵襲の手技で改善させるとともに、子宮の形態と機能を温存することを目的とした治療です。
子宮を栄養源とする主な血管である子宮動脈に塞栓物質を注入し閉塞させ、腫瘍への栄養供給を止める治療法です。
詳しくは特設サイトよりご確認ください。

UAE特設サイト

※本病院指標の規約上、「-」の箇所は該当症例無しという意味ではなく、患者数が10症例に満たない場合を指します。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 - -
異なる - -
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 20 0.76%
異なる - -
播種性血管内凝固症候群・敗血症は肺炎や尿路感染症などの感染症から併発することが多い疾患です。
アナフィラキシーショックや手術後感染、人工関節の破損などを発症された患者さんは、手術・処置等の合併症に該当します。手術・処置等による合併症が起こらないよう病院全体で努めておりますが、万が一合併症を発症した場合にも迅速な対応ができるよう、体制を整えています。
※本病院指標の規約上、「-」の箇所は該当症例無しという意味ではなく、患者数が10症例に満たない場合を指します。
リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率ファイルをダウンロード
肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが
「中」以上の手術を施行した
退院患者数(分母)
分母のうち、肺血栓塞栓症の
予防対策が実施された患者数(分子)
リスクレベルが「中」以上の手術を
施行した患者の肺血栓塞栓症の
予防対策の実施率
822 682 82.97%
リスクレベルが高い手術を受けた患者さんは、血栓が肺動脈を塞ぐ危険な状態である「肺血栓塞栓症」を発症する可能性が高まります。その為、当院では必要な患者さんに予防策を講じることを努めております。
※リスクレベルが「中」以上の手術とは、「肺血栓塞栓症および深部静脈血栓症の診断,治療,予防に関するガイドライン 2017 年改訂版 」(日本循環器学会等)に準じています
血液培養2セット実施率ファイルをダウンロード
血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数(分子)
血液培養2セット実施率
660 624 94.55%
血液培養を2セット採取することで、感染症の原因菌を正確に特定できる確率が高まり、汚染菌との区別も容易になります。これにより、適切な抗菌薬治療を迅速に開始でき、患者さんの回復を早めることができるため、重要な検査手法として推奨されています。
当院の実施率は約95%となっており他院と比較しても高い水準にあります。
広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率ファイルをダウンロード
広域スペクトルの抗菌薬が
処方された退院患者数(分母)
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日
までの間に細菌培養同定検査が
実施された患者数(分子)
広域スペクトル抗菌薬使用時の
細菌培養実施率
183 133 72.68%
広域スペクトル抗菌薬は、多くの細菌に効果がある強力な抗生物質です。しかし副作用や耐性菌のリスクがあるため、慎重に使用することが求められます。
広域スペクトル抗菌薬使用時に細菌培養を行うことで、感染の原因菌を特定し、最適な抗菌薬を選べます。これにより、効果的な治療や耐性菌のリスク低減が可能になり、患者さんの回復を早めることができます。
当院では抗菌薬適正使用支援チームも活動し、実施率の向上に努めております。
更新履歴
令和6年9月26日
令和5年度 座間総合病院病院情報を公開