累計 | 5,900件 | (他院等での先行手術に対する人工股関節再置換術659件を含む)1997年4月〜2018年8月末(JMA海老名総合病院時代からの通算) |
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年間 | 363件 | (他院等での先行手術に対する人工股関節再置換術31件を含む)2017年1月〜2017年12月末 |
用を廃した股関節を取り除き、人工臓器である「人工股関節」を設置し、股関節の機能を再建する手術です。
麻酔(ほとんどの場合、全身麻酔)がかかった後、足の長さや股関節の動きにくさを確認します。次いで「半側臥位」という斜めの姿勢で手術台に体を固定します。人工股関節置換術では、まず疼痛や機能障害の原因となっている変形変性した骨・軟骨を切除します。続いて関節機能の代替として「人工股関節」を移植、骨に固定します。人工股関節には疼痛を感知する部分がありませんので、疼痛がほとんどない股関節を作成することができます。当院では骨・軟骨のみならず筋肉・筋膜・腱(まとめて軟部組織と称します)のバランス再建も術中に行っており、当院の特色にもなっています。術後のリハビリテーションが行いやすく、より良好な機能の再建が可能となるからです。人工股関節置換術とは人工股関節を挿入するだけの手術であるとは考えていません。
当院では人工股関節の長期耐久性にも最大の配慮を行っています。耐久性に関与する要因は様々ですが、今日世界的に 最大かつ最重要な要因は摩耗の問題であると考えられています。当院では長期耐用性が見込まれる凹面凸面(正常の股関節も、人工股関節も、お椀にボールが入った構造をしています)の部品を使用しています(例:若年層ではセラミック凹面とセラミックの凸面の組み合わせ。最も信頼性が高いメーカーの製品を使用しています)。
人工股関節を骨に固定する方法は「骨セメント(アクリル系接着剤)による固定」および「骨セメントを使用しない固定」二種類に大別されます。当院では一貫して「骨セメントを使用しない方法(セメントレス)」で人工股関節置換術を行っています。
筋肉を温存し、早期に良好な機能回復を図るMIS (Minumally Invasive Surgery:最小侵襲手術)法で人工股関節置換術を行っています(今日の主流)。当院では工夫を凝らした独自の「半側臥位前側方侵入MIS」で正確かつ安全な手術を行っています。
よりよい機能回復のために、手術のみならず、術前・術後のリハビリテーションにも重点をおいた診療を行っています。当院の目標は手術実績の大量生産ではありません。人工股関節置換術を核として、トータルな機能回復の提供が大切であると考えています。
術後の感染(化膿)防止のため、ハイクラスの無菌手術室で手術を行っています。
当院では必要に応じて「両側同時人工股関節置換術」を行っており、当院の特色のひとつになっています。両側とも変形や疼痛が強く、片側のみの治療では対側の病変のために十分な機能訓練や回復が望めない場合には積極的に両側同時手術を行っています。現在573名(2018年9月末)の方に対して行い、良好な結果を得ています。機能回復が得やすく、一度の入院で済み、入院期間も片側手術の場合とほぼ同等、といったメリットがあります。人工股関節置換術を行う病院は増えてきていますが、両側同時手術を行うことができる病院は限られているようです。
他院で手術を受けたものの経過が思わしくない方(骨切り術や人工骨頭・人工股関節置換術など)への救済手術も行っています。とくに人工股関節再置換術(問題を生じた人工股関節を入れ替える手術)は2015年末までに576件行っており、国内最多の実績かと思われます。人工股関節置換術を行う施設であればどこでも、再置換術まで自施設で完結すべきであると思われますが、再置換術は難易度が高い手術になりますので、やはり行うことができる病院は限られているようです。
様々な病状に対応しています。股関節自体の病変や、全身疾患のため他院で手術困難・手術不能といわれた方にも、入念な事前準備と院内各科や海老名総合病院の協力の下、必要に応じて手術を行っています。
遠方で退院後リハビリテーション通院が困難な方・高齢独居の方・ゆっくり入院したい方などには、当院「療養病棟」や「回復期病棟」を使用し 長めの入院期間を提供することが可能です。
様々な病状・背景の方に幅広く対応します。担当医にご相談ください。
さまざまなタイプ、サイズ、材質、メーカーのものがあり、個々の状態に応じて最適なものを使用しています。