膝の痛みを伴う病気で最も多いのが変形性膝関節症です。
日本は世界第一位の長寿国ですが、残念ながら膝関節の部品である軟骨や骨は一生その機能を維持出来ません。歳をとるにつれ、関節の表面を覆っている軟骨はすり減り、軟骨周囲の骨はもろくなり関節全体は変形が進みます。変形が進むと膝関節は次第に痛みを生じるようになります。
同じように関節の変形が進む病気として関節リウマチがあります。
リウマチは免疫の異常による病気で、自分の体の一部である関節を、細菌やウィルスのように自分の敵だと誤認識をして関節を変形させます。変形性膝関節症による関節変形の進行を抑える薬はありませんが、リウマチは薬の進歩により関節変形の進行を抑えることが出来るようになりました。
骨顆部壊死は、骨粗鬆症による脆弱(ぜいじゃく)骨折であると認識されるようになってきました。骨がもろくなってきたことによる骨折ですので、変形性膝関節症やリウマチより初期から痛みが強く、夜間痛もみられます。初期にはレントゲン検査では診断がつかず、MRI検査でないと分からないこともあります。
過去に、スポーツなどで靱帯を断裂した・半月板を損傷したことのある方は、加齢とともに変形が比較的早期に出現する外傷性変形性膝関節症もあります。若い時に膝を怪我したことがある方で膝痛をお持ちの方はこの病気の可能性があります。
変形性膝関節症では膝と膝の隙間が極端に開くO脚となることが多い。
関節リウマチの方の初期は変形が少なく、関節の腫れが強い。変形が進行するとX脚となることが多い。
このような症状に該当すると思った場合は、まず近くの整形外科を受診しましょう。手術が必要と判断された方は当院へお問い合わせ下さい。
対象となる患者様は一番多い。膝関節のみの問題。
女性が8割を占める。
多数の関節に問題が起きる
膝関節の太ももの骨の脆弱骨折をきっかけに発症するといわれている
膝周辺の骨折や半月板損傷、靭帯損傷により変形する
膝の痛みがなかなか良くならない場合には、近くの整形外科の受診をお勧めします。
膝痛を起こすどの病気でも、すぐに手術となることはなく、まずは保存療法(手術をしない治療)を行うのが原則です。変形が軽度な場合には、保存療法で症状はほとんど軽快します。変形が高度で保存治療を3〜6カ月ほど行っても膝痛が軽快せず、日常生活に支障がある方は手術を考慮します。具体的には、15分の歩行が出来なくなった・階段昇降が出来なくなってきた・膝が痛く外出する機会が減り、好きな旅行へ行けなくなった・趣味にしていたゴルフやゲートボールが出来なくなってきたなどです。